原子力は二十世紀が生んだ人類最大の「癌」であり癌因子である―1981年のクロム環境ガン闘争の宣言より―

正月は人生を振り返る季節でもある。
古い資料を整理していたら、「日化工クロム被害者の会」の機関誌「格魯謨」(クロムと読む)の判決特集号が出てきた。クロム訴訟判決は、わが国で初めてガンの因果関係を労災認定よリも拡張して司法が認めた画期的な判決であった。原告団は1か月前の1981年8月30日に、「クロム裁判勝利!職業ガン・環境ガンとたたかう8・30労働者・市民集会」を開催し、宣言を採択している。
 
機関誌にはこの宣言が掲載されている。
この宣言は、事務局として27歳のときに、私が起案したものだ。

宣言の中に、
「原子力は二十世紀が生んだ人類最大の「癌」であり癌因子である。」
との文言がある。

スリーマイル島の原発事故から2年がたっていたが、1986年のチェルノブイリよりは5年前。既に、原発労働者の被曝は問題にされ、下請労働者の岩佐嘉寿幸さんが1974年に訴訟を起こしている。クロム訴訟は1975年の提訴だ。

31年も前の宣言だが、決して古くはなっていない、と改めて思う。

クロム問題に出会って、私は今の道に進んだが、もう一度、初心に帰ろうと思う。
3・11は時空を超えてこの宣言と結びついている。
環境問題の私にとっての原点から、政治を再構築したい。

以下に、宣言文を掲載します。

「クロム裁判勝利!職業ガン・環境ガンとたたかう8・30労働者・市民集会 宣言」
 (1981年8月30日)


 癌ほど痛ましく忌まわしい病はない。いつ襲うとも知れぬ癌ほいまや万人の前に立ちはだかっている。厚生省の10万人あたりの死亡原因統計によると1950年と比較して現在癌はこの30年たらずで2倍近くになっている。しかも肺癌は実に12倍を超えている。病死は脳卒中死を抜いて国民の死因の第1位に君臨しようとしており、もはや4人に1人が癌で逝く。だがこの急増する癌は宿命でも私病でもない。

 クロムによる職業癌を中心とする職業病をもたらした日本化学工業の企業責任を追及して裁判を闘う日化工クロム訴訟原告団は、本日、癌に苦しみ、癌を憂う全国の仲間とともに集い、各地の職業癌・環境癌の現状とその闘いについて報告し合い交流をかわした。

 新日鉄八幡ではタール等の有害粉じんによる124名の癌死について労災認定闘争が闘われており、43名の肺癌死者に対する認定を勝ちとっている。この1年間に同工場のコークス工場では現職労働者3名が逝ったが、全員が癌であった。さらに退職者3名を含めると6名が癌で逝った。ここでは労働者がタール粉じんを防ぐのにタオル二枚が支給されるのみである。タオルに付着した一週間分の粉じんを分析すると両切ピース6600本分の3・4ベンツビレンが検出された。癌は工場の塀を越え八幡市民をも脅かしている。すでに1958年の段階で八幡市は空気のきれいな福岡市西部にくらべ高率の癌発生率をみており、肺癌の罷患率は約3倍、上気道癌は約6倍にも達している。
 タールによる職業病は製鉄所のみならず黒鉛電極工場にも多発している。74年の「カーボン労組による職業病対策会議」の調査によると14事業所1496名のカーボン労働者の内、肺ガンの前段症状として労働者に恐れられている「ガス斑」の出ている者が全体の1/4にあたる320名にものぼっている。京都福知山の昭和電極では合化労連昭和電極労組がタール・ピッチ等によるじん肺・ガン訴訟闘争をたたかい本年10月に判決を迎えようとしている。

 宮崎県の土呂久では慢性批素中毒に認定された住民134名のうち21名が死去しているが、1/3にあたる7名が癌であり、内5名が肺癌であった。この肺癌死者と生存認定患者に含まれる皮膚ガン患者は、国が様々な制限をつけながらも公害との因果関係を認めた初めてかつ唯一の癌患者である。廃止鉱山「亜批焼谷」土呂久には、住民被害に先行したであろう鉱山労働者の職業ガンを含めて、批素による末曽有の癌被害の歴史と現実が埋れている。

 福井県敦賀原電の下請労働者岩佐氏が起した原発労災訴訟は原子力発電および原電内労働がいかにずさんであり、労働者にそして住民にいかに発癌の危険をもたらすかを警告している。1977年の社会党樽崎弥之助氏(当時)および原水禁の調査によると1966年7月から77年3月までの間に全国7基の原発内労働で作業後に死亡した労働者75名の内、実に35名が白血病を含む病死である。原子力がいかに人類を癌の危険にさらすかは、広島、長崎の被爆者の悲劇・ビキニ水爆実験被曝の久保山氏の例をひくまでもない。
 タール・ヒ素はクロムとならぶ古典的癌原物質であり、原子力は二十世紀が生んだ人類最大の「癌」であり癌因子である。

 ベンジジン、ベーターナフタルアミン、4-アミノジフェニル、4-ニトロジフェニル、ビスエーテル、ベンゾトリクロライド、石綿、ベンゼン、塩化ビニル、オーラミン、マゼンタ、ニッケル、すす、鉱物油、アスファルト、パラフィン、これらはクロム・タール・ヒ素・放射線をも含め労働省が現在ガン因子としてみとめる物質である。中でもベンジジンによる被害は凄まじい。すでに労働省が労災として認定を認めたぽうこう癌患者だけでも1979年までに280名おり、ここ数年来は毎年20名以上が新たに認定を受けるに至っている。塩化ビニルによる職業癌は1975年クロムとともに社会問題化したが三井東圧化学労働者一名が肝血管肉腫で労災認定を受けたのみで水面下に沈んでしまった。現在も水俣チッソでは合化労連新日窒労組によるねばり強い労災認定闘争が闘われている。

 われわれは、本日の集会で全国の職場にそして地域に深刻な職業ガン・環境ガンの被害が現実のものとなっていることを再度確認した。工場で生産、あるいは発生した癌原物質は、まずは労働者を、そして大気汚染・食品公害・薬害といった様々な経路を経て市民を発癌の危険にさらしている。われわれは、癌原物質・因子に包囲されている。職業癌・環境癌と対決する根元的な闘いがいまこそ必要とされている時はない。だがこの聞いは諸についたにすぎない。
 このような状況の中で、日化工クロム職業病訴訟は職業癌の企業責任を徹底追及した最初の大規模訴訟としてこの秋、判決を迎える。
 クロムは18世紀初頭からその発癌性が知られていた。1937年にはドイツではすでにクロムによる肺ガンを労災認定の対象ともしている。
 だが日化工はこのクロムの発癌性を熟知していながら、事実を労働者から隠蔽してきた。そればかりか「鼻に穴が穿かなければ一人前でない」という労働者人格を破壊する忌むベき言葉を流布しながらクロム被害を拡大させてきたのである。1975年にクロム公害・職業病が社会問題化してから6年の間にも判明している200余名の日化工クロム工のうちすでに44名が癌で死去し、あるいは癌を宣告されている。日化工70余年の歴史はまさに癌死者の葬の上になりたっている。クロム裁判は犯罪企業日化工の企業責任を徹底追及した裁判である。

 国民の4人に1人が癌で逝く。
 だが日化工クロム工は4人に3人、あるいはそれ以上が癌で逝く。
 国民の間に急増する癌を抑止し、減少させてゆくためには癌を著しく増大させている癌原物質および癌原因子を生産の過程からチェックし、生産・使用禁止をふくめて厳しく規制管理することによって初めて可能である。これは職業病・職業癌を企業の塀の中の労使間の問題として閉じこめてしまうのではなく、真に国民的課題として提起し、追及することによってのみ実現される。
 クロム訴訟がこのようなものとして裁かれたとき、癌原物質・因子を生産段階から社会的に監視・規制し癌増大の危機から人類を救うたたかいのひとつの橋東壁が築かれるものとわれわれは確信する。

 日化工クロム職業病訴訟への公正な判決を裁判所に期するとともに9月1日からの「がん征圧月間」を前にわれわれは全国の労働者、市民に訴える。

 クロム裁判勝利!
 全国のガン闘争勝利!
 職業ガン・環境ガンの企業責任の追及を!
 労働者こそガン制圧闘争の先頭に立とう!
 労働者・市民の連帯で職業ガン・環境ガン闘争をすすめよう!

 右、宣言する。

  1981年8月30日

# by ykinos | 2012-01-07 10:32 | 評論・所感

年頭所感 「無党派市民」通信2012年1号

「無党派市民」通信2012年1号を「はがき通信」として作成しました。世田谷区議会議員 木下泰之の年頭所感です。同通信は1997年以来16年続けています。JPEGで「はがき通信」そのものを、加えて、同じ文面ですが、読みやすいようにテキストで「年頭所感」を掲載します。






世田谷区議会議員 木下泰之
2012年 年頭所感


保坂区長を実現、五期当選
直言居士を貫きます


 2011年3月11日の大震災と引き続く福島第一原発の事故は、現代日本のあり方に大きな反省と転換を迫りました。
 私は、統一地方選での自粛ムードを打ち破り、市民が今こそ声を出していくべきだとして、「脱原発時代を切り拓く、緑の先進国を世田谷から」と呼びかけ、3月30日に区内で公共事業問題に取り組む市民運動の仲間とともに、保坂展人氏の擁立に動き、脱原発と大規模開発区政の転換、情報公開と住民参加を選挙公約とする選挙戦を共に闘いました。
 自民、民主、共産がそれぞれ候補者を立てた選挙戦の中で、既存政党勢力を押さえ、無党派の区民が主導して保坂区政を実現しました。また、私自身も無党派の立場で五期当選を得ることができました。

公約実現に向け、直言居士を貫きます

 保坂区長就任後のマスコミでの評価は、妥協や安全運転が過ぎるというものです。私もそう思っています。
 年間1ミリシーベルトを優に超える除染対象地域の川場村へ小学生を送り込む移動教室は中止すべきです。そうでないと、政府の暫定基準年間20ミリシーベルト体制を打破し、子供たちに安全な食を提供し、福島の子供たちを避難させることも、さらには脱原発を貫くこともできなくなります。
 また、小田急線や京王線での連立事業、外郭環状、二子玉川再開発等世田谷区内の課題はそれぞれ莫大な予算を伴う国家的な大規模再開発事業です。基礎自治体も巻き込まれ情報操作・秘匿と形骸化した市民参加を駆使して進められてきた日本土建国家のあり様にメスを入れない限り、一歩を踏み出したことにはなりません。保坂区長は下北沢から大規模開発区政の見直しに着手するとしていますので、その成り行きを見守っているところです。
 議会でも一貫して主張してきましたが、担ぎ出しの言い出しベーの責任として、私は区長の選挙公約実現のため、直言居士を貫いていく決意です。

エコ・ニューディ―ルを目指し、日本にも「緑の党」を創ろう!

 3・11はパラダイムシフトの必要性を示しました。脱原発こそ新しい地平を開きます。原発依存と外需依存の環境浪費土建型から内需重視の環境共生型経済への転換、エコロジカルニューディールを引き続き目指します。
 子どもを放射能から守ろう!川場移動教室の中止と、放射能汚染ゼロを目差す給食体制を!世田谷を自然エネルギー活用の発信地にしよう!小田急騒音訴訟勝利と鉄道騒音規制の確立を!54号線を中止し、カーフリーな路地の街シモキタを活かそう!京王線高架計画は地下に、地上は緑の避難路を!外環と新規都市計画道路の見直しを!2期事業を見直し風致地区を活かした二子玉川へ!
 また、今年は、これまで交流のあった全国の緑派の地方議員や市民運動の仲間と協同して、日本にもグローバルグリーンと結びついた脱政党的な市民政党「緑の党」を出現させる運動にも参加し、世田谷からこそ脱原発と環境立国に向けた新しい動きをつくりたいと思っています。

 2012年1月1日

# by ykinos | 2012-01-01 03:26 | 評論・所感

情報秘匿・操作体制にメスを!土壌汚染核種調査の実施を!

11月30日に区議会本会議で一般質問を行いました。

議会中継録画 

通告した標題は以下の通りです。

1、3.11後の時代に即し、小田急線と京王線の連立事業・関連事業の抜本的見直しを
2、世田谷区の放射能汚染対策について

以下に、質問原稿を掲載します。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

情報秘匿・操作体制にメスを!
土壌汚染核種調査の実施を!


通告に基づき一般質問を行います。

最初に、連立事業・関連事業の抜本的見直しを求めて質問をおこないます。

小田急線では現在、下北沢工区の連立事業が行われ、また、京王線では笹塚駅~つつじヶ丘駅間の連立事業の都市計画手続きが行われようとしています。

保坂区長は下北沢地区で上部利用の計画案の見直しから始めようとしていますが、忘れてはならないことがあります。
緑豊かな緑道を配置しようという上部利用計画は東京都が実施した「連続立体事業調査」の2000年10月の報告書に既に書き込まれているということであります。

連立事業調査報告書は東京都が実施主体ですが世田谷区も協力して作成されたものです。しかしながら、一方で区は同報告書を入手していないということにして事業が進められてきました。この入手していないということ自体が茶番です。保坂新区長はそのことを、良く理解された上で、事業の見直しに着手していただきたい。

区に関係した小田急線の連立事業調査報告書は3つあります。1987年の狛江工区、1989年の経堂工区、そして2000年の下北沢工区のもの。最初の狛江工区の調査報告書は1987年7月28日に狛江市議会で全員協議会が開かれ市議会議員全員に配布されております。
ところが、世田谷区議会には全く報告されないばかりか区もこの報告書を入手していないことにして事業は進められたのです。以後、一連の調査報告書は一般市民に秘匿するばかりか、関連都市計画を行う世田谷区にさえ手渡していないことにしているのです。

連立事業は単なる鉄道事業ではありません。道路財源を使い交差道路の新設や駅前広場、周辺都市環境の再開発を含む総合計画が複雑に絡む事業です。報告書は総合計画を明らかにし構造形式を決定して国に対し報告されます。ところが、調査報告書は「秘匿」されながら、一方で世田谷区は住民参加の名において行われる様々なワークショップを行い最終的にはこの報告書通りにしていくという情報操作が繰り返されてきました。

例えば、下北沢の駅前広場5400平米は鉄道の構造形式が高架化か地下化かは分からないとして決められたが、世田谷区は地下化を想定して作業を行っていたことは、住民が裁判を通じて情報開示を勝ち取って、内容を知るにいたってからは歴然としています。

区長は一昨日の招集挨拶で小田急在来線撤去後の環状7号線上の歩行者用橋梁について地元要望によって整備すると語っていましたが、この整備方針が2000年10月の調査報告書に既に書かれてあることを役人から説明を受けたでしょうか。情報公開裁判の成果もあって市民側の求めで東京都にこの報告書を公開させたたことにより区は報告書を公式に入手していますので、この調査報告書を良くお読み下さい。自転車が行き来するような緑道整備も、震災対応の貯水池施設も、駐輪場も、イベント広場の整備についても書き込まれていることが分かるはずであります。

京王線の調査報告書については区長が東京都に情報開示を要求してダンボール2杯の資料が届けられました。ところが、肝心の積算根拠や構造形式の比較設計等は黒塗りのままであります。
それでいて都市計画手続きが着々と進んでいく。情報公開と市民参加を区政の柱とする保坂区長はこういった事態を許してはなりません。他会派に対するデジタルコンテンツ問題で虚偽報告問題と同様、コンプライアンスの問題として過去の情報操作問題は追及されるべき類のものであり、糺されなければなりません。

そこで、お聞きします。

1 一連の連立事業調査の秘匿体制とその体質にコンプライアンスの観点から区長はメスを入れていただきたい。そのお約束を頂きたい。

2 京王線の調査報告書が区に秘匿されたままで、区が環境側道の都市計画案や千歳烏山駅や明大前駅の駅広の都市計画素案を提出したことはやってはならないことです。責任の所在を明らかにし、全体の都市計画案を東京都に差し戻していただきたい。

3 環境影響評価準備書に対し区長は都知事に対し意見書を提出しました。
意見書の趣旨を論理整合的に展開すれば、戦略アセスメントが盛り込まれた法アセスを準用し、上部方向の騒音増加を許さず、マグニチュード8の耐震強度に対応させた上で、4線地下化案を含めた比較案の環境アセスを実施せよということになります。 
そうすると、都市計画案のやり直しを求めているということになりますが、そうされるのかどうかお伺いします。

4 下北沢の街づくりの見直しを検討するに当たっては、1989年と2000年の2つの調査報告書をよく読んでいただきたい。
1989年の調査報告書の段階で既に地下化案方針が定まっていたにもかかわらず、あたかも高架・地下は未定だとして進められた下北沢地区の連立事業・関連事業の問題点を確認されたい。精査するお約束をいただきたいがいかがか。

5 建運協定が改定され、連立事業採択条件から交差幹線道路の必要要件がはずされているにもかかわらず、補助54号線ありきで進んだことの是非を再検討し、下北沢地区の小田急線連立事業による大規模再開発を抜本的に見直していただきたい。ご見解をお示し下さい。

6 下北沢地域で震災に対応した上部利用計画を検討するのと同様に、京王線においても、在来線を地下化し震災対応の上部利用を進めるよう東京都に問題提起していただきたい。
在来線の地下化を潜行させれば、複々線は必ずしも必要ではありません。帰宅困難者や緊急車両が通れる緑道や貯水施設や備蓄倉庫を整備し、日常には緑の憩いの空間として整備が出来ます。笹塚駅付近や八幡山駅付近の在来高架を廃線後にニューヨークのハイラインのような緑の歩道としての整備も出来るはずです。

次に、世田谷区の放射能汚染対策についてお聞きします。

11月25日の文科省の発表によるとセシウム沈着量は都の観測点の新宿で1万7354ベクレル/平米にもなることが分かりました。新宿というと世田谷の近傍です。そこでお聞きします。

1 世田谷区は258箇所の放射線調査を行ったが、その評価をお聞きします。また、事故以前の区の放射線量はどのくらいであったのか、お示し下さい。
今回調査での全体の平均値は0.07マイクロシーベルトぐらいとなるが、この値は決して低くはありません。
中部大学の武田邦彦教授によりますと、呼吸や食物経由等の内部被爆を考慮すれば、空間線量を4倍にした数値が実際の被爆量であり、0.28マイクロシーベルトとなり、年1ミリシーベルトを超えてしまうことになります。区長としてはどう考えているのかお聞かせ下さい。

2 世田谷区駒沢の東京都関連施設で3月15日に採取したサンプルで、空気中のストロンチウムが11.11mベクレル/㎥検出されたことが明らかになりました。
この値は1960年代原水爆実験最盛期の観測値の10倍にも相当します。どう考えるのか、見解をお示しいただきたい。
ストロンチウムやプルトニウム等より危険な核種を含む土壌汚染調査を要求してきたが、区は実施しようとしていない。何故実施しようとしないのか理由を聞かせていただきたい。

3 次に、川場村でのプルトニウム、ストロンチウム等核種調査についてお聞きいたします。
9月議会で実行していると答弁したにかかわらず、当初分析依頼を仲立ちした放医研関係者はやる必要はないと村にアドバイスし、その後、私の申し入れに再度実施を約束したにかかわらず、依頼先の日本分析センターは多忙で受け付けられないと断る等、不可解なことが多い。
この間の経緯と今後の予定をお聞かせいただきたい。
川場村の区施設については区が早急に独自調査も実施すべきだと考えるがいかがか。
東京でさえ日々汚染に晒されている児童を、より高汚染地域の川場村に連れて行くこと自体が問題なのです。より危険なプルトニウムやストロンチウムについては計測さえされていない。改めて川場移動教室の中止を求めるが、見解をお示しいただきたい。

残された時間がありません。給食・食料検査の問題は既に他会派の質問に区が答えていますので、請願の本会議審査の際に意見を述べさせていただきます。

以上壇上からの質問とします。

# by ykinos | 2011-12-01 08:57 | 議会

量より質だ、もっともだと言われる磁場での闘いを逃すな

11月26日に保坂展人世田谷区長の政治家としての2回目の報告集会が、世田谷区民会館で開催されました。

1部の終了際に、急遽司会者から求めらておこなった区議会議員、会派「無党派市民」木下泰之の挨拶を掲載します。

集会の模様はユーストリームで中継され、アーカイブで見ることが出来ます。
私の挨拶は、開始後1時間26分30秒からです。

下記に、挨拶の文字起こしを掲載します。この挨拶のみを見る人のために、言葉の補足を括弧にいれておきました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

量より質だ、もっともだと言われる磁場での闘いを逃すな

こんばんは、無党派市民の木下泰之です。

与党か与党かという風な話が良くありますけれども、区議会議員と区長とはそういう関係ではないんですね。

私は、ずっと、一人会派としてやっておりますけれども、是非、区長には頑張ってもらいたいということで、今、活動しているわけですけれども、
私は、区長がおっしゃられている(区政の95%は継続し5%は変えていくとした)「5%」というものはどうも解せないんですね。

何故かというと、やはり、量の問題には還元すべきではない。
質というものがあります。

政治には、ある時に、もっともだといわれるべき、変えなければならない磁場、というものがあります。
それを、変える時を、逃さないで欲しい。

例えば、(放射線量の高い地域への移動教室を中止せずに、小学生を行かせてしまった)川場村の問題などは、あれは行かせない方が良かったですし、行かせないことが、国が誤った政策に対して、踏み込んでゆく、次の大きなステップになったと思うんですね。

公共事業の問題でも、情報開示の問題で、京王線の問題では、(本来、世田谷区長が知っていなければならない基礎調査報告書の積算根拠を非開示として)真っ黒なやつを東京都が(世田谷区長に対して)出してきているんですね。これは情報公開に全く反するわけです。
徹底的に闘わなければならないと。

これはパーセントの問題ではなくて、何パーセントになるか分かりませんけれども、跳ね返していくというところから、大きくなだれを打って変わっていく、もっともだと言われる磁場、がある。
是非、そういったところを逃さずに頑張っていただきたい。

今後の(区長が編成する平成24年度の)予算を見ていますので、
予算で、量的に「5%」であるとすると、私は予算に反対せずにはおられないということで、
しっかりと、そういうところも見ていきたいと思いますので、
宜しくお願いします。

# by ykinos | 2011-11-27 10:53 | 評論・所感

暗闇に光を探し出せ! 「溺れた犬は叩け」とは言わせるな

10月21日の本会議で、平成22年度(2010年度)の決算認定についての意見表明を行いました。
熊本前区長がたてた予算への決算について新区長が決算認定を行うに当たっての意見表明ということになります。
木下泰之の所属する会派「無党派市民」(一人会派)は一般会計への決算認定には反対をしました。
以下は演説原稿です。演説趣旨に沿って、標題をあえてつけさせていただきました。
なお、この演説は区議会ホームページに録画が掲載されています。インデックスページから定例会日程の10月21日13時からの収録内容の表示に進んでください。今回の意見表明の演説順位は3番目でした。演説原稿と併せて御覧ください。http://www.discussvision.net/setagayaku/index.html

平成22年度決算認定への会派「無党派市民」の意見表明

暗闇に光を探し出せ!
「溺れた犬は叩け」とは言わせるな



認定第1号 平成22年度世田谷区一般会計歳入歳出決算認定に反対、認定第2号から6号までのその余の認定5件に賛成の立場から、意見を申し上げます。

平成22年度の予算は前熊本区長がつくったものであり、私は熊本区政不信任の立場から、反対してきました。とりわけ、一般会計予算は熊本区長の2倍の速度で道路をつくるとして、下北沢や小田急線連立事業や京王線連立事業と関連する都市計画道路や駅前ロータリー整備、二子玉川の再開発と、大規模再開発に積極的に踏み込んだ予算でありましたので、その決算認定についても反対せざるを得ません。その余の決算認定5件につきましては、新区長の登場に免じて賛成するものであります。

決算認定については、区長が変わった際の認定作業においては、新区長の政策に照らして、その予算とその執行状況についての価値判断があってしかるべきであります。しかしながら、一般会計への認定における提出文書の記述において、新区長の価値判断や今後のビジョンが見えてこないのであります。

脱原発と情報公開、そして大規模再開発の見直しが選挙公約であったはずであります。
残念ながら、「世田谷区各会計主要施策の成果」なる文書では、大規模再開発に向けた予算執行状況が肯定的に捉えられて記述されているのであり、この大規模再開発を見直していくために、22年度予算という負の予算を批判的に引き継ぐという大規模再開発転換の思想が見られないのであります。
このことは、先に示された「区政運営方針」を読んでも、また、これからパブリックコメントをもらうことになる世田谷区実施計画素案や世田谷区行政経営改革計画素案においても、同様であります。
6月議会でも、申し上げましたが、3・11震災・原発事故以後のパラダイムシフトを表明し、大規模再開発の見直しを公約に掲げて当選された以上、政治・経済のあり方の質的転換の方針とビジョンをこそ示すべきであり、そのために政治生命をかけるべきであります。

当然、政治は一人ではできません。妥協も必要でしょう。しかしながら、ビジョンを積極的に示し、時宜を捉えて積極的に問題提起しなければ、政治は暗闇に光を探すことができないと、進言しておきたいとおもいます。

日本は、現在、正に、戦後政治を呪縛してきた土建国家からの転換や官僚支配の国家の打破に成功しているとは思えず、いまや脱原発さえ怪しくなり、TPPをもつきつけられながら、閉塞感から抜け出ることができていません。
しかしながら、少なくとも、バブル崩壊以降、国民は閉塞感を打破する為に、それなりの投票行動はしてきたと思います。1993年には細川政権を登場させ、自民党をぶっ壊すといった小泉政権を登場させ、そして一昨年前には民主党政権を登場させたわけです。そして、その度に国民は裏切られ続けてきました。

そういった歴史の中で、世田谷で、3・11以降、さらに閉塞感が進行した政治状況を打ち破り、これをむしろパラダイムシフトの転換点としてとらえ、脱原発とエコロジカルな経済・社会の確立を目指し、自治体から日本を変えるとして、あなたは登場したのではなかったのか。と思うわけであります。
保坂区長、あなたの登場は希望の光だったし、今でも、まだ希望の光なのであります。
脱原発を掲げて勝利したのは、首長としてはあなただけであったし、公共事業の見直しを実現させることができるのはあなたしかいないと、みなが思い、選挙戦の短期間のうちに支持が広がっていったのを忘れないでいただきたい。

今回の決算議会において、私は公共事業の見直しの問題については、基本的には保坂区長の対応を、期待を込めながら待つという態度を取ってまいりました。
下北沢の再開発見直し問題はまさにあなたの手腕が問われています。京王線連立事業の基礎調査情報とりわけ構造比較の積算根拠の開示の問題についても、沿線の住民はひたすら待っていますし、私も待つことにしたわけです。しかしながら、京王線連立事業の環境アセスの公聴会は開かれ、手続きは刻々と進んでいきます。外郭環状道路の問題でも東京都が誘い水の予算付けをする中で、やきもきしながら、推移を見守っています。二子玉川の方々も、また、外郭環状予定地周辺の方々も、同じ思いで見守っているでしょう。

ところで、今回の決算議会で、私は、川場村への小学生の移動教室の問題を集中して取り上げさせていただきました。
既に6月議会で申し上げましたように、川場村問題は国が法に反して定めた暫定基準20ミリシーベルトを、世田谷区が、認めるのか否かを突きつけられた問題であり、原発事故への対処について、極めて、具体的に問われる課題であったからです。川場移動教室は中止するべきだということは区長には6月以降、何度も申し上げあげてきたことです。

保坂区長は、放射線物質が発がんとの関係において「しきい値」はないことをお認めになりました。そうであればこそ、放射線に感受性の高い子供たちにおいては、できる限り放射線被害のリスクから避けさせることが求められているのは当然のことであります。ところがそうはされなかった。2泊3日とはいえ、9ないし10μシーベルトの放射線を浴び、さらに放射線核種の微細粉じんの内部被ばくを受けることを否定できない移動教室を、教育委員会と世田谷区は、未だに継続したままにしているわけであります。

もともと、学校の授業カリキュラムとして位置づけられている以上、教育委員会は子供の安全・健康と教育的配慮を考えれば、世田谷よりも10倍も放射線量の高い川場村に行かせることを中止にするのは当たり前のことです。ところが5000人以上の学童の健康にかかわる問題を、川場村の経済問題やいわゆる「風評被害を招く」との理由で、中止しないとしたら、これほど児童や父母の人権を踏みにじる行為はありません。また、今回の原発事故が大気へのセシウムの放出量にして広島型原爆の168個分に相当し、プルトニウムやストロンチウムを含むその他の放射線核種が大量に放出され、さらに海洋汚染も進み食の安全も脅かされているという汚染の現実を直視しないならば、一番犠牲になるのは川場村の子供たちや、もっと高汚染にさらされている福島の子供たちということになります。
川場村が村内の区宿泊施設2か所を含む9か所についてプルトニウムやストロンチウム等の放射線核種の調査を専門機関に依頼したにもかかわらず、介在した専門家がこれを阻んだ事実は徹底調査されるべきであります。

チェルノブイリでは3万7千ベクレル/㎡以上が汚染地に認定されています。残念ながら、6万ベクレルから30万ベクレルを超える汚染が確認されている川場村は汚染地なのです。汚染地での健康村というのは語義矛盾です。今からでも即刻中止させるべきであります。予防原則に照らせば、実行できる政策でもあり、誰も文句は言えないはずであります。

川場村問題を解決せずに、放置するということは、世田谷区民の健康管理をもないがしろにするということになります。区民の働きによってラジウムによる高線量放射線地区が発見されたことを契機に区内258か所の公園の砂場を中心とする測定を実施するとしたにもかかわらず、区はプルトニウムやストロンチウム等セシウム以外の核種の調査は未だにしようとしておりません。川場村では村内区施設2か所も含め4か所につきプルトニウムやストロンチウム等の再調査を行うのであるから、その対象比較としても、世田谷区内でも行うべきであります。

この間、世田谷区は水や食品の独自基準づくりどころか、給食の放射能測定さえ積極的に進めようとはしていません。杉並や港区が購入を決めたのに、食品の測定器も購入しようとさえしていません。
川場村問題に引っ張られ、政府の暫定基準の墨守ということに世田谷区が現在陥っていることは、深く憂慮しなければなりません。

保坂区長は3・11を契機に生み出された区長だということを決して忘れてはなりませんし、脱原発の最先端に立たなければ、その輝きは失われてしまうのだということを肝に銘じてほしいのです。

保坂区長、あなたは、選挙戦に突入する際の記者会見で「暗闇に光を探し出すのが政治だ」といいました。魯迅を念頭に置いた言葉です。私は、この言葉に感動したと申し上げてきました。

魯迅のもっと有名なことば、「溺れた犬は叩け」ということばがあります。どうか、この言葉を、決して、言わせないでいただきたい。


以上、申し上げ、会派「無党派市民」の決算認定への意見表明といたします。

# by ykinos | 2011-10-23 14:29 | 議会

< 前のページ次のページ >