保坂区長は高架前提の京王線駅前広場の都市計画手続きを進めるな! 予算委総括質疑 |
2012年3月7日 予算委員会総括質疑議事録(私製版、正式議事録が出来た際には差し替えます。)
菅沼委員長 木下委員。
木下委員 先ほどタスキの話がありましたけど、あれは「ブログを使うから良いか?」と何に使うのか分からずに最後に聞かれましてね。それで「まぁしょうがないだろう」と言ったんですが、それをもって「許可をした」というのは、これは私の人格に関わることです。私はそういう卑怯なことはしません。言っときます。
それでですね、問題は、選挙の時に高架反対ということについては、一緒に演説もしたし、京王線についてはですね、高架じゃなくて地下が良いという意識を区長は持たれてたと思うんですが、いかがですか。
菅沼委員長 保坂区長。
保坂区長 京王線の連続立体交差事業に対して、特に木下議員を介してですね、「高架ではなく地下へ」という方が大変多くいたと。「もう一回きちっと考えるべきだ」というふうに発言もしたと思います。
菅沼委員長 木下委員。
木下委員 下北沢の問題もですね、前から高架で計画しようという動きがあって、高架と地下の比較をした時に、地下の方が高架より1.6倍かかるというのが、世田谷区の報告書で出たということもあります。それが結果的には地下になって地上の緑道等も含めて造ろうということになって、それに区長は意欲を燃やしておられるわけだけれども、京王線についてもですね、やはり私は地下が良いと思うんですよね。それで連立事業報告書の大事な高架地下の比較ですねデータがいまだに出ていないにもかかわらず、高架を前提とした駅前広場、明大前と千歳烏山の駅についてそういうふうにやって、それで今度四月の中から都市計画案の説明会に入る。これは私はねぇ、やはり撤回してもらいたいと思うんですが、区長いかがですか?
あ、区長に聞いてるんです!
菅沼委員長 板垣副区長。
板垣副区長 はい。
木下委員 副区長はいいですよ。
板垣副区長 情報の開示につきましては、区長の方からも指示をいただいておりまして、今までもこの間、私や所管も含めまして、東京都にも申し入れを行なってきているところでございます。京王線連続立体交差事業の事業主体としましては、東京都が事業主体であるわけで、
木下委員 区長に聞いてるんですよ。
板垣副区長 その報告、その判断を行なう、その情報開示の判断を行なうのは東京都が判断しているわけでございますので、なお引き続き情報開示について東京都に求めているところです。以上でございます。
菅沼委員長 木下委員
木下委員 区長は去年の説明会について、ゴーサインを出されたわけですけど、測道の都市計画権者は区長なわけですよ。合わせて駅前広場もそうですね。高架を前提にするかどうかということについてはですね、まさに区長の判断によるんじゃないですか? だから区長としてはどういうふうに判断されたんですか? 区長!
菅沼委員長 板垣副区長。
木下委員 区長!
菅沼委員長 保坂区長。
保坂区長 京王線の連続立体交差事業については、とにかく「開かずの踏切の解消をして欲しい」という声もあります。一方で住民の参加、意見の反映ということも極力実現をしなければ、と考えてはいます。ただ全体の事業の中で、少なくても現在都市計画案ということですけれども、この計画案についても地域の方々にもしっかりと案として固まる前の段階でも開示をして議論いただくというふうに指示をしているところです。
菅沼委員長 木下委員。
木下委員 もうすでに都市計画案の説明会をやろうというんですよ。ほとんど都市計画素案の案とですね、ほとんど変わらない。しかも高架を前提に駅舎側に移した形の案を示すということになるわけですね。しかも街づくり協議会は、明大前の街づくり協議会は、地下化を前提としたプランを示している。つまりそれが出た段階でですね、都市計画案については待つべきなんじゃないですか? 延期して下さい。いかがですか? 区長に聞いてるんだ!
菅沼委員長 板垣副区長。
木下委員 区長の政治判断だ!
板垣副区長 これは、
木下委員 副区長はいい!
菅沼委員長 発言中でございます。御静粛にお願いします。
木下委員 副区長はいい!
板垣副区長 区長から指示をいただきまして、この間千歳烏山から、
木下委員 区長に聞いているんだよ! これは政治判断だろう。
板垣副区長 この間ずっと地域の方から意見交換もしてきました。そういう中でより良い案が無いかということで、この間ずっとかなり回を重ねてですね、地域住民とも一緒に考えてきたところでございます。千歳烏山におきましては、
木下委員 副区長はもういい!
板垣副区長 案の、素案の
菅沼委員長 発言中です、御静粛に。
木下委員 都市整備委員会で聞いた。
板垣副区長 そういう中で今回、案の提案をさせていただいているところでございます。以上です。
菅沼委員長 木下委員。
木下委員 大変なことですよ、大型公共事業の見直しというのが、区長のスローガンのひとつのわけですよ。それでね、連立事業というのは、世田谷最大の公共事業ですよ。その問題は、これはただ単に高架だけじゃない。交差道路が七本も、都市計画道路が造られようとしているわけですよ。そのひとつひとつについて、やっぱり見直していくということを考えれば、高架でこのまま進めて良いっていうわけじゃない。それからね、それについて区長に聞いても、答えないんだったらいいです。ね、区長答えて下さいよ。どうなんですか? 副区長はいい。
菅沼委員長 保坂区長。
保坂区長 もちろん京王線の連続立体交差事業の中で高架に対する反対の声がたくさんあるというのは知っています。ただ一方で、その、いわゆるその開かずの踏切の解消ということで、地元のたいへん強い要望もあるという中で、例えば烏山の駅前広場についても、たいへん広すぎるんじゃないかと。大きすぎるんじゃないかという声も、ありました。で、その大きすぎるものを、いかに小さくするかという努力はしたつもりです。で、それについて、案として決定する前に地域の皆さんに示して、しっかり議論いただきたいというふうに申し上げています。
木下委員 委員長。
菅沼委員長 木下委員。
木下委員 四月の中から始まっちゃうわけですよね、それを撤回して下さいというのは聞きますか? 区長、それについてはちゃんと住民とあって、撤回も含めて検討しますか、どうですか?
菅沼委員長 はいどうぞ。
木下委員 いいです! 副区長はいい。
菅沼委員長 板垣副区長。
木下委員 副区長はいい!
板垣副区長 近々また、
木下委員 やめてくれ、時間が足りないから。
菅沼委員長 お静かに。
木下委員 議長。
菅沼委員長 木下委員。
木下委員 これはとんでもないですよ。先ほどタスキの話があったけど、そういうことじゃないよ。区民に対する公約をあなたは裏切ったんだよ。ね、これは、これは、ね、民主党が公約を裏切って、今、政治が信用されなくなっている、ね、そういった中であなたもそのことをやるんですか? どうなんですか? ちゃんと答えて下さいよ。
菅沼委員長 保坂区長。
保坂区長 民主主義のプロセスの中で議会とも、そして近隣の住民とも(チャイム)よく話し合って、
菅沼委員長 以上で無党派市民の質疑は終わりました。
<解説>3月7日の予算委総括質疑について
世田谷区議会予算委員会の初日の総括質疑で、木下は保坂区長に、高架前提の京王線駅前広場の都市計画手続きを進めるな!と迫りました。
保坂区長の選挙公約の柱の一つが大型公共事業の見直し。小田急線に引続き京王線(本線の笹塚駅・つつじヶ丘駅間)でも連続立体交差事業が行われようとしており、在来線の高架計画に対して住民から地下化推進運動が立ち上がっています。
東京都は高架・地下の構造比較を高架化に有利な条件で比較をしており、住民から批判されてきましたが、積算根拠となっている連続立体交差事業調査報告書の事業費比較について積算根拠等重要部分を隠したままにしています。区長が当選後、区長の要求で世田谷区に届けられた同報告書もこの部分について秘匿した黒塗りのものでした。
世田谷区は環境側道の都市計画権者ですから、側道の設計を通じて東京都の鉄道の事業計画に責任をもつという立場にあります。したがって、高架計画が正しいかどうかを世田谷区の立場から評価しなければならず、東京都による鉄道の構造計画(高架か地下か)についても責任を持たなければなりません。
にもかかわらず、構造形式や側道や駅前広場、さらには駅周辺の再開発や街づくり、更には環境影響も含めて検討することになっている連続立体事業調査報告書さえ入手しておらず、高架・地下の事業費比較の詳細については知らされないし、未だに情報入手さえしていないということになっているのです。
連続立体交差事業については、既に小田急電鉄による世田谷代田駅・喜多見駅間の裁判の一審判決で、都市部における事業では高架計画よりも地下化計画のほうが事業費的にも環境的にも優位であることが認定され、このこと自体は事業認可差し止めを覆した上級審判決でも、反証はされていません。
80年代には地下化方式のほうが高架方式よりも1・6倍かかるとされていた下北沢地区の事業(世田谷区の報告書)は、東京都の調査で「同等」とされ地下化が採用されています。
既に在来線の高架計画(複々線は区内ノンストップの地下方式)案を公告・縦覧しておきながら、事業費比較の積算データさえ、未だに示せない京王線の高架事業計画の正当性の根拠は既に破綻しています。
ましてや、3.11以降の耐震設計強化の要請を考えれば、見直してしかるべきです。
京王線の高架計画を含む連立事業は東京都が鉄道計画を、世田谷区が環境側道計画を、一旦、公告・縦覧し、説明会は昨年3月下旬に企画されていましたが、3.11震災で説明会が延期されました。その結果、保坂区長当選後に再度、公告・縦覧され説明会が行われるという変則的な対応がなされました。
保坂区長は選挙戦の中で高架計画の見直しを、木下とともに訴えて昨年4月24日に当選しました。したがって、側道計画を含む連立事業の都市計画の見直しを、3.11震災後の状況にあわせて行うべきだと木下は主張し、公告・縦覧の無効と説明会の延期を保坂区長に求めました。結局は保坂区長は5月に公告・縦覧を実施し説明会を開催した上で充分に検討するという立場をとりました。
この当選直後の保坂区長の判断の是非は、今はここでは問わないことにしましょう。しかしながら、今回、高架を前提とした明大前駅前広場と千歳烏山駅前広場の都市計画案の公告・縦覧を4月13日から開始し説明会も行うという意思表明を2月27日をもって区議会に報告してしまったことは、決して是認できません。この行為は保坂区長自らが提唱している「情報公開と住民参加」をことごとく踏みにじるものであるからです。
未だ連立事業調査報告書の構造別費用比較の積算表が秘匿されています。また、世田谷区の条例に基づいて認定された、公式な地域を代表する街づくりの組織である「明大前駅周辺街づくり協議会」が地下化を前提とした駅前広場計画を含む地区街づくり計画案を2月14日に提出したばかりでした。
3月7日の質疑では、区長に京王線の高架計画を前提とした駅前広場の都市計画案の撤回を求めました。すでに都市整備委員会では板垣副区長が撤回の意志がないことを表明していましたので、この日の質疑では副区長のオウム返しをけん制しつつ、区長に政治決断を迫ったものです。議事録を読めば分かるとおり、住民の意見を良く聞いて決めてゆくと答えていますが、公告・縦覧手続きや説明会の撤回は避けています。