再び「闘う区長」の過誤記載、小田急・京王連立、道路見直し問題及び原発事故補償要求について |
なお、昨年2012年11月29日の一般質問の継続ですので、議事録をご参照ください。
2012年11月29日「保坂区長著書『闘う区長』での重要な過誤、小田急・京王連立事業及び幹線道路計画、川場移動教室問題を糺す」
2012年11月29日「環7歩道橋・跡地上部利用での手打ちを許す訳にはいかない―補正予算(第四次)への反対討論」
再び「闘う区長」の過誤記載、小田急・京王連立、道路見直し問題及び原発事故補償要求について
世田谷区議会議事録 平成25年3月定例会-02月22日-03号
○畠山晋一 議長 次に、二十四番木下泰之議員。
〔二十四番木下泰之議員登壇〕(拍手)
◆二十四番(木下泰之 議員) 通告に基づき、一般質問を行います。
最初に、下北沢地区連立事業での小田急側負担金と上部利用についてお聞きします。
昨年十一月の議会の質問で、区長の著書「闘う区長」の記述に重要な誤りがあることを指摘いたしました。下北沢地区での連続立体交差事業についての電鉄側の負担金について、区長は著書では電鉄側は一五%負担すると書いたが、これだと事業申請時の在来線連立事業費六百六十五億円中九十九・七五億円を支出することになるが、政府の定めた要綱、いわゆる建運協定により、地下化連立の場合は協議で決めるとされており、この協議の結果、実際には電鉄側は五十億円、つまりは七・五%、ほぼ半分の支出でよいことになっているので、間違いであると指摘したわけであります。
上部利用問題は、世田谷区が変更案を発表した際、東京都や小田急電鉄に了解を得ていなかったとかで、世田谷区がクレームをつけられ、さらには世田谷代田付近の環七上の鉄道橋の歩道橋へのつけかえ問題も、十一月という日限を切って、強引に事業方針を決めることが区に迫られており、一般質問の直後に四次補正予算で議決しています。
区長の著書「闘う区長」の発行日は十一月二十一日、十一月十四日には京王プラザホテルで出版記念パーティーが開かれ、完成された本も披露されております。ところが、質問日の十一月二十九日に私に指摘されるまで、区長は間違いを自覚していなかったし、副区長も気がつかなかった。保坂区長は誤りの重大性を認識もせず、木を見て森を見ない議論はしないでほしいなどと失礼千万なことを十一月二十九日の答弁で言われ、著書の絶版要求を拒否しました。しかしながら、一方で間違いがあれば次の版で訂正するとも答弁しております。
区長は事実確認をされたでしょうから、御自身のこの問題への評価、今後の対応をお聞きいたします。
他会派の代表質問で、他人の土地の利用について勝手に合意なしに区長が公表したことがけしからぬというような言いようがありましたが、この認識は間違っております。公共投資の成果物の利用方法を政府要綱で公共優先と定めている以上、公共利用の真の主権者たる住民、市民に上部利用問題を広く公開して議論がされてこなかったことや、公共利用権益を主張するに当たって、当事者である区長が、交渉に当たっては不可欠であるはずの電鉄の負担額さえ把握もしなかったことが罪悪であり、このことを区長はわびた上で、もっと公共利用を図ることを主張するというふうに対応を変えるべきであります。
付随して幾つかお聞きしておきます。
連立事業費は、認可事業時は実際には六百六十五億円だが、これが現在、七百九十四億円に増加した理由を明らかにしていただきたい。線増線を含む総事業費の推移も明らかにしていただきたい。
小田急電鉄負担金は五十億円と変わりないと聞くが、なぜなのか。高架事業の場合、適用されたであろう旧基準一四%に比し、地下化だからとして協議で決めた負担率はたった六・三%、五十億円は都市計画事業の受益負担だが、これには上部利用便益費も含まれます。算出方法や受益金額積算の内訳詳細を知っているのか否かを明らかにされたい。
上部利用につき公共側と電鉄側の利用面積を明らかにされたい。都の連立事業調査報告書に記載のある下北沢駅付近の鉄道敷地利用計画、創作広場、演劇の町の一翼を担う野外劇場、地域行事のイベント広場、区民サービスセンター、公衆トイレ、交番などの整備計画はどのように検討され、どのようになったのかお聞きしたい。
以前、区が示した図には跡地に小田急電鉄の宅地開発が記載されていたが、そのような計画はふさわしくないので、区として反対すべきと考えるが、いかがか。また、商業施設や関連ビル計画はあるのかなど、小田急電鉄側の整備計画も明らかにして、区民の意見を求めるべきであると考えるが、いかがであるか、お答えください。
三月二十三日より下北沢地区の小田急線は地下に潜りますが、緩行線工事が残され、五年延期と聞いております。周辺整備も含めた事業の全体計画の予定を明らかにされたい。
次に、京王線連立事業での市民による情報開示と行政の情報未取得についてお聞きいたします。
連立事業の高架・地下構造比較の積算根拠について、東京都情報公開審査会は一部開示の答申を出しました。市民の努力で情報が開示されたというのに、区の働きかけでは都の情報開示は進みませんでした。なぜなのかお聞きします。いかなる努力や手続を踏んだのか、行政として東京都に対し開示請求や訴訟を起こさないのはなぜなのか、区長にお伺いしたい。
都は、本来開示すべき情報を開示せず、また、区は得られるはずの情報を入手せず、それぞれの都市計画をそれぞれの都市計画審議会にかけ決定してしまったこと自体、不当です。都も区も都市計画手続はやり直すべきだし、事業認可申請などすべきではありません。区長の見解をお聞きいたします。
次に、世田谷区の道路計画見直しについてお聞きします。
保坂区長の根幹にかかわる重要問題であるにかかわらず、前回は区長みずからが答弁をしませんでした。あえてもう一度、区長にお聞きします。
保坂区長就任の年次にあったはずの道路整備方針の中間見直し計画を区長が延期した理由をお聞かせください。大規模公共事業の見直しを公約に当選した以上、道路についての見直し議論こそ、住民参加と情報公開のもと集中して行うべきだが、そのような対応をとらなかった理由をお聞かせいただきたい。
道路見直しの今後の対応を明らかにされたい。中間見直しを延期している間に、従来方針に沿った都市計画道路につき事業計画が進捗したり、連立絡みで新たに動き出した計画さえあり、不当です。見直しを延期した以上、モラトリアムにすべきではなかったのかお伺いします。
安倍内閣にかわって、道路事業予算は復活推進の勢いだが、古い計画である都市計画道路をそのまま事業化すれば、世田谷区の住環境は確実に破壊されることになると私は考えます。代議士時代に公共事業チェック議連の事務局長を務めていた保坂区長の区内道路問題への考え方、思想をお聞きしたい。そもそも幹線道路計画抑制の考え方を持っているのかどうかをお伺いします。
下北沢地域に補助五四号線を貫通させることは、路地の町下北沢を破壊することになるというのは、保坂区長の認識であったと思うし、選挙戦ではそのように訴えて、下北沢の町の人々や下北ファンの支持を得たと思うのだが、そう考えてよいのかどうか、お伺いします。
一期工事は、事業認可後に区長に保坂区長が就任したという事情もありましょうが、少なくとも、いまだ事業申請をしていない二期、三期の事業中止を宣言するべきであると考えますが、いかがお考えか、明らかにされたいと思います。
最後に、東電への放射能被害への区としての補償要求についてお伺いします。補償要求範囲をお伺いします。空間ガンマ線量調査のみならず、プルトニウム、ストロンチウムなど、アルファ線、ベータ線放射線核種の降下状況について、土壌調査などで調べる必要がありますが、その努力をしたのかどうか、お伺いします。食品や水、ごみ焼却、瓦れき処理への対策負担について、被災地からの避難者支援や対策、被災地支援についての経費などについて要求するのかどうか、お伺いします。また、川場村での損害についてはどのように要求するのかをお伺いします。
以上、壇上からの質問といたします。
〔保坂区長登壇〕
◎保坂 区長 木下議員にお答えをいたします。
まず、「闘う区長」についてですけれども、これについては、区議会議員としての経験も長い、木下議員が取り組んでこられた環境問題を中心に多々書かれておりますので、できるだけ全体像を見ながら、いい点、悪い点等を指摘していただけたらよかったなというふうに思っております。
御質問の点についてでございますが、その後調べました。その点においては、パーセンテージ、その一五%というのは誤っていました。これは謹んで訂正させていただきます。この訂正については、ホームページ、ツイッター等で行うとともに、これは必ず重版するというものではありませんが、現在発行されている新書が版を改めるときに訂正ということで、確実にこれは実行するということで、もう既に編集部のほうにその正誤表ということを引き渡しているとおりでございます。ということで御了承いただきたいと思います。
もう一つ、京王線についてでございます。
区民の長年の願いである開かずの踏切の解消の早期実現と沿線のまちづくりは大変重要であると考えておりまして、その際、三項目の留意事項を東京都に対して意見回答しております。その一つである周辺まちづくりにおいては、住民への情報提供に努め、理解と協力を得ながら事業の推進に当たることとしておりまして、東京都からは事業の実施に当たって留意する旨の回答があったと聞いております。今後、十分にこのことを実現していただきたいと期待しているものであります。また、今後も区民が求める情報をわかりやすく提供していただけるよう、東京都並びに関係機関に求めていく所存であります。
道路についてどう考えるのかという御質問がありました。
道路は、日常の区民生活を支え、町の骨格を形成するとともに、防災や公共交通利用の促進という観点からも都市基盤として重要であると考えています。これらの道路の計画について、これまでもその時々の社会経済情勢等を踏まえた見直しが行われてきたと認識しています。現在進められている基本構想の議論でも、まさにまちづくり、どのような哲学、コンセプトで世田谷区のまちづくりをしていくのかという議論が行われておりますし、都市整備方針の改正などにより、世田谷区が目指すべき都市像を見据え、次期道路整備方針においてその考え方を反映させたいと考えています。
具体的には、三・一一を踏まえて、延焼遮断や緊急避難といった防災、減災の考えを基軸としながら、バス、公共交通、そして環境に優しいクリーンな自動車の行き交う道路、そして人、自転車、車椅子、ベビーカーが共生する、環境と人権に配慮した安全で快適な道路ネットワークということだと思います。
次に、東電の補償問題について、私から基本的なスタンスを述べ、詳細は環境総合対策室長がお答えをいたします。
区としては、福島第一原発事故以後、多額の経費と人員を割いて放射能対策に取り組んでいます。こうした中、昨年十二月に賠償に関する案内が東京電力より書面で送られてきました。内容を見ると、賠償の対象を食品衛生法に基づく食品検査や学校給食等の検査費用など、政府指示に基づき負担を余儀なくされた項目に限定しています。また、学校給食の検査費用の賠償対象期間は二十四年三月末で打ち切るという内容になっております。つまり、昨年の年度末で補償期間は終了しているという内容でした。
そこで私は、二月七日に東電東京補償相談センターの所長と面会して意見交換を行うとともに、補償の内容について再考を促すため、食品等の検査に要した経費に加え、空間放射線量の測定や線量低減措置に関した世田谷区の経費、これは人件費も含まれていくわけですが、こういったことを賠償対象の項目に含めることなどを記した要望書を手渡しているところであります。
続いて、二月十九日には東京電力による賠償に関する説明会が開かれ、食品検査にかかわる職員人件費について、限定的ではありますが、賠償金の支払い対象にするが、放射線量の測定や、プールの水、二十四年度分の学校給食の検査費用は賠償金の支払い対象外にすることなど、東京電力の考え方が示されたと聞いています。また、それに対して、他の区からも強い疑問の声が上がったと聞いております。
同日、要望書に対する回答が渡されましたが、この回答は、基本的に従来からの同じ内容であり、納得できるものではありませんでした。
今後は、この三月十一日を機に起きた福島第一原発の事故の重大な広がりと当区における影響ということをしっかり踏まえながら、区として他の区とも協議、連携しながら、補償のあり方について意見をまとめていきたいと考えております。
以上です。
◎堀川 生活拠点整備担当部長 小田急線上部利用について、順次御答弁申し上げます。
上部利用の検討につきましては、この間、連立事業での公租公課分の都市側で利用できるとされる面積を上回る利用を行い、また、使用料についても、より低廉な価格で使用できるよう、鉄道事業者の御理解を得ながら協議を進めておるところでございます。
次に、公共側の利用面積と鉄道側利用面積でございますが、区の施設配置のための利用面積については現在協議中でございます。
なお、連立事業により都市側が公租公課で利用できる面積は二千二百平米とされておりますが、これを大幅に上回る利用面積で、鉄道事業者等との協議を進めております。
創作自由広場等の計画について御質問がございましたが、平成十二年の東京都における連続立体交差事業調査報告書については、事業の必要性、緊急性等について検討したものと認識しており、そこで示された鉄道跡地利用計画の項目等については、参考にはさせていただきましたが、防災、みどりの基軸づくりというコンセプトから、ミニ防災スポットの配置や、通路、緑地、小広場等の整備を優先させていただきました。
区が利用を予定する部分以外につきましては、鉄道事業者が利用するものと考えますが、利用計画等については検討中だと伺っております。
また、都市計画法の用途地域制限に応じて、住居系や商業系の土地利用が可能であると認識しております。また、鉄道事業者側の整備計画につきましては、計画の内容、規模に応じて、関連する条例に規定されている手続により、説明会などの対応が図られることとなります。
また、上部利用等の予定でございますが、上部利用につきましては、原則連立事業などの完了後となりますが、一部では事業完了前に上部利用が可能となる区間が生じてくるものと想定しております。
区といたしましては、環七横断橋等の現在事業中の関連する周辺整備は引き続き進めるとともに、上部利用につきましては、整備が可能となる部分が出てきた場合に、できる限り早目に施設整備に着手できるよう取り組んでまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
◎五十嵐 交通政策担当部長 私からは、小田急線下北沢工区及び京王線の連立事業につきまして、順次お答えいたします。
まず、小田急線の連立事業費が増加した理由などについてでございます。
事業費が増加した主な理由といたしましては、鋼材等を使用する時期が北京オリンピックに伴う資材価格の上昇時期と重なったこと、工事現場周辺の皆様への騒音、振動をより低減させるために、防音ハウスを設置するなどの環境対策を講じたこと、地表を営業線が走る直下での難工事ということから、安全対策に費用を要したことなどによるものと聞いております。
また、複々線化事業を含めた総事業費につきましては、当初、一千二百五十八億円でしたが、今回予定される変更でおおむね一千五百億円程度になると聞いております。
次に、小田急の負担金の算出方法などについてでございます。
連続立体交差事業において、鉄道事業者は踏切除却益、踏切事故解消益、地上貸付益などを積み上げて算定された受益相当額を負担するものでありますが、区はこの内訳については把握しておりません。
なお、この受益相当額が工事費の変化と連動しないため、今回予定される連続立体交差事業の事業費の変更において、小田急電鉄の負担額は変わらないものと聞いております。
次に、京王線連立事業の情報開示についてです。
情報公開審査会の答申は、都の条例に基づき審議がなされ、別表1、2に掲げる部分は開示すべきであるが、その他の部分は非開示が妥当とするものでございました。
区といたしましては、新たに開示される部分の情報を提供していただけるよう求めてまいりますし、もちろんこの間、副区長を初め私自身も情報の提供を求めてきており、引き続き区民が求める情報をわかりやすい方法で提供していただけるよう、東京都並びに関係機関に求めてまいります。
最後に、京王線連立事業についてでございます。
京王連続立体交差化につきましては、既に都市計画の変更決定をしております。区といたしましては、区民の悲願であります開かずの踏切解消の一日も早い実現と交通結節機能の向上や防災機能の強化、さらなる町の魅力の創出を担う駅前広場の整備や沿線のまちづくりに、東京都と連携を図りながら取り組んでまいります。
以上です。
◎吉田 道路整備部長 私からは、区の道路計画につきまして御質問をいただきましたので、順次お答えいたします。
まず最初に、道路整備方針の調整計画を延伸した理由と今後の対応についてお答えいたします。
区の道路整備の取り組みを示す道路整備方針は、当初、平成二十三年度に検討作業を行い、平成二十四年度に新たな方針を策定する予定となっておりました。しかし、平成二十三年三月に東日本大震災が発生し、それ以降、区政全般で防災、減災を基軸に見直しが求められる中で、今後の道路整備についても防災対策を重点化する必要が高まってきたことを受け、その検討を行うに当たりまして、新たな方針の策定を延期したものでございます。
現在、新たな基本計画、都市整備方針の改定時期とあわせまして、区民の方の御意見もお聞きしながら、平成二十六年度に次期道路整備方針を策定する予定で作業を進めているところでございます。
次に、調整計画を延伸している間にも道路事業は進んでいる。モラトリアムすべきではないかについてお答えいたします。
道路整備方針の改定時期とあわせまして、次期方針が決まるまでの期間に、区が取り組むべき事項を定めました道路整備方針の調整計画を策定し、公表しております。現在進めている道路整備は、この道路整備方針の調整計画に基づいているものであります。方針改定を延期した期間中におきましても、事業が中断することがないよう継続的に取り組んでいるところでございます。
次に、幹線道路計画を抑制すべきではないかということにつきましてお答え申し上げます。
道路の中でも幹線道路、地区幹線道路は、円滑な交通処理などの役割に加えまして、防災や住宅地への無用な通過交通の抑制といった観点からも大変重要なものでございます。特に世田谷区では地区幹線道路の整備がおくれており、延焼遮断帯に囲まれた防災生活圏の形成や南北交通の充実、公共交通不便地域の解消など、多くの解決すべき課題を抱えていることから、今後もスピード感を持って着実に道路整備を進めることが重要であると考えております。
最後に、下北沢地区の五四号線の二期、三期についての考え方についてお答えいたします。
補助五四号線は、渋谷区富ヶ谷を起点に上祖師谷に抜ける都市計画道路で、道路ネットワーク上でも重要でございます。この中で渋谷区境の補助二六号線から環七までの区間が区部における都市計画道路の整備方針で区施行の優先整備路線に指定されております。この区間は、下北沢駅へのバス等公共交通のアクセス性の向上や十分な歩行空間の確保に加えまして、木造住宅密集地域におけます延焼遮断機能や、緊急避難、物資輸送等多くの役割が期待されております。
現在、第一期として、下北沢駅付近の区間で交通広場とあわせまして事業を進めておりますが、二期、三期、その他の区間につきましても進捗状況や財源などを考慮しながら、事業実施期間について判断していきたいと考えております。
以上です。
◎齋藤 環境総合対策室長 東電の賠償要求につきましてるる御質問いただきました。あわせてお答えいたします。
区ではこれまで、さまざまな放射線対策に取り組んできております。川場村の区民健康村や清掃工場の周辺、区管理施設での空間放射線量の測定を初めといたしまして、保育園や学校で提供される牛乳や給食の放射性物質、また、公園や学校に設置されているプールの水につきましても、区民の方々の不安に応えるため検査をしてまいりました。土壌調査につきましても、文部科学省が実施をし、必要に応じてその結果を区民に情報提供しております。加えて、被災され、世田谷区に避難された方々の対応につきましても、区営住宅や「せたがやの家」などを活用し、緊急受け入れを行ってきております。
これら経費の賠償に関する説明会が今週の二月十九日に開かれております。そこでの説明の内容は、先ほど区長からも御答弁申し上げたところでございますが、新たに人件費につきまして一部補償対象とするということでございますが、それ以外の項目につきましては、政府指示等に基づく負担を余儀なくされた食品衛生法に基づく検査費用及び学校給食等の検査費用のうち、必要かつ合理的な範囲に限定するという内容のものでございます。
今後の対応につきましては、基本的な考え方及び請求の費用につきましても、区として鋭意詰めていくことになると考えております。
以上でございます。
◎金澤 生活文化部長 川場村について御質問をいただきましたので、御答弁申し上げます。
川場村関連については二つございまして、一つは、区の施設、健康村の施設ですね、これにつきましては、平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法、これの対象区域になっておりますので、区民健康村の施設の除染費用については、国からの補助金をいただいている、あるいは現在申請しているものがございます。
それから、区民健康村につきましては、いわばホテル、旅館、民宿業でございますので、ほかの類似施設と同じように、東京電力に対して、お客様が来るのが減ったということにつきまして既に補償がなされております。既に三回補償をいただきまして、四回目については請求中というような状況になってございます。
以上でございます。
◆二十四番(木下泰之 議員) 区長の答弁を聞きまして、ちょっと本当に寂しい思いがしましたね。情報開示とか住民参加が区長の命だったはずです。そして問題は、区民に情報を提供するみたいなことを言っていますけれども、区長が知らなければならない情報が開示されていないわけですよ。それから、区長が本来知っていなければならない情報を知らなかったわけですよ。そして、それについても間違ったわけですね。それについては、そんな一般論で言うのではなくて、上部利用について決定的な情報が欠如していたわけですから、それについて明らかにする努力をするべきです。それで、役人からの答弁では、一切そういう情報は得ていないと言っているわけですね。連続立体交差事業のあり方自体が、情報公開にしても、住民参加にしても、区との関係においても全部おかしいんですよ。そういったことを全部改める必要があると思いますけれども、それについてどう思うのか答えてください。
それから、道路問題については哲学の問題ですよ。つまり、下北沢については明確な意図を持っていたはずです。にもかかわらず、一般論でしか答えていない。それから、世田谷区の道路についても、これは道路整備がおくれたために、世田谷の緑は守られ、住宅地域が守られたということもあるわけですよ。そういったことについてどう考えているのか、そういったことについても答えてください。
それから、東電への要求については、アルファ線、ベータ線については一切考慮していないわけですよ。それについてどう考えるのか、区長、答えてくださいね。
〔板垣副区長登壇〕
◎板垣 副区長 今、情報開示ということでお話がありました。一つは、知っておくべき情報を区長が知らなかったという、こういうお話でございましたが、それは著書の中での一五%ということだと思いますが、これは一般的に高架の場合には一五%の鉄道会社が負担ということが、一般的に高架の場合にはそういう規定になっておりましたので、区長のほうはそれを踏まえた中での著書の中での記述だったというふうに考えております。したがいまして、先ほど区長からもお話がありましたように、地下の場合には協議によって決まることになっておりますので、その旨を訂正していくということでございます。
それから、京王線の連立事業の情報公開につきましては、この間、私も含めて何度も東京都のほうにも情報開示をお願いしております。また、先ほど区長が答弁で申しましたように、都市計画審議会の世田谷区長の意見として申し述べる中で、周辺まちづくりについて、できるだけ情報公開等もお願いしたいという旨を記載させていただきました。そのことは東京都の都計審の審議会でも御披露され、それらに留意していくということが述べられているものでございます。
それから、下北沢の道路につきましては、今、事業化をして進めております。先ほど道路整備部長が説明しましたように、道路のネットワーク、あるいは防災の延焼遮断帯等の考え方、また、幅員は当時、都市計画変更する際に、もともとの幅員を使うということで、それはむしろ下北にとって歩道の幅員を非常に多くとれるということが、その下北の町のむしろ回遊性にその歩道が一体になってできるという考え方をもとに、歩道幅員を世田谷区内の中では、そういう歩道幅員がないくらいの歩道幅員をとって事業を進めていくという考えでございます。
以上、私のほうの関連で答弁させていただきました。
以上です。(「区長、答えてくださいね。哲学を聞いているんだから、哲学なんて、区長しか答えられないんだよ」と呼ぶ者あり)
〔保坂区長登壇〕
◎保坂 区長 私が区長就任に当たって、これまでの大型開発の見直し、そして情報公開、住民参加ということでスタートをしていると。そのことが極めてなっていないというのが木下議員の御批判だと思います。(「そのとおりじゃないか」と呼ぶ者あり)はい。ただ、じゃ、世田谷区政全体が、例えば下北沢のまちづくりに関しても幾多の積み上げをしてきているわけで、このことが最終的にどういう結果を出していくのかということが重要だと思います。
ですから、全て見直せ、全部撤回しろ、こういう御主張ですけれども、(「そんなことは言っていないだろう」と呼ぶ者あり)そういうふうに聞こえますよ。(「中間見直しさえやっていないと言っているんだよ」と呼ぶ者あり)ですから、着実にその情報開示と住民参加を進めていくという基本方向は出しておりますし、このことが、ここがおかしい、よろしくないという批判については一つ一つ答えて、受け入れられるものについては実現をしているはずです。ですから、そういう点で、なお議員とは議論をさせていただきたいと思います。
◎齋藤 環境総合対策室長 アルファ線、ベータ線を含んだ土壌調査ということでございますが、これにつきましては、国が調査をしておりますので、現在、区といたしましては調査をする予定はございません。
以上でございます。
◆二十四番(木下泰之 議員) やはり上部利用についても、区長は知らなかったら困るんですよ。それを間違えていたんだよね。ということは、あれだけ十一月に結論を出すことを迫られていたときに、知らないでそういう交渉をしたのかということについて、これは具体的に答えてください。知らなかったんですね。
〔板垣副区長登壇〕
◎板垣 副区長 上部利用につきましては、この間、三・一一を踏まえて防災と緑を基軸に見直してまいりました。その中で、できるだけ上部利用につきまして、世田谷区の防災とみどりの基軸の案を示すことによって、小田急との合意をしていきたいということで進めてまいりました。
負担割合等について具体的にそのところを区長にお示ししながらというよりも、その防災とみどりの基軸をどうやっていくのかということを議論させていただきながらつくったものでございます。
以上でございます。
○畠山晋一 議長 以上で木下泰之議員の質問は終わりました。