当事者不在が許されるのか、「教育委員会の権限に属する事務点検及び評価報告書」への質疑 |
しかしながら、議会の多数派は出席要求を認めず、欠席のまま、この報告を行うことを是認してしまいました。
しかたなく、教育長に対して質問を行いましたが、この問題に関して区議会多数派は法律違反との認識もないのはゆゆしきことです。
この問題提起自体が新鮮であるという自体、げに恐ろしきというものではないでしょうか。
学校行為区報改正で学校安全衛生基準が法定化されたにもかかわらず、これを遵守していないことについて教育委員会はどのようにチェックをしたのかを問い正そうとしたのであるが、「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」の改正ですら、その構造を頭に入れていない教育委員会に問うても到底無理な話であったと云うことでしょうか。
世田谷区の子供たちを教育する立場の方々がこれではいけません。
さらにいえば、区政をチェックする体制に甘い世田谷区議会はもっといけません。
以下は議事録です。
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○川上和彦 議長 ただいまから本日の会議を開きます。
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○川上和彦 議長 日程に先立ちまして、事務局次長に諸般の報告をさせます。
〔星次長朗読〕
報告第十二号 平成二十一年度世田谷区教育委員会の権限に属する事務の管理及び執行の状況の点検及び評価報告書の提出
○川上和彦 議長 これより諸般の報告に対する質疑に入ります。
なお、質疑についての発言時間は、議事の都合により、答弁を含めて十分以内といたします。
発言通告に基づき発言を許します。
二十三番木下泰之議員。
〔二十三番木下泰之議員登壇〕
◆二十三番(木下泰之 議員) 地方教育行政の組織及び運営に関する法律二十七条の規定による教育に関する事務の管理及び執行の状況の点検及び評価については、二十六条の規定により、教育委員会は教育長に事務の委任をすることができないとされています。この点検と評価は、教育委員会が教育長に委任した事務を含みますので、答弁者は教育長であってはならず、教育委員長でなければならないと思います。ところが、本日は、教育委員長は所用があって出席できず、代理として教育長がお答えになるとしております。
議運で教育委員長や法の趣旨に沿った代理者が出られる日に今回の議会報告を繰り延べて、その際、質問させてほしいと訴えましたが、議運委員の多数派は教育長の答弁でよしとする見解をとり、繰り延べは拒否されてしまいました。
教育委員会がみずから及び事務方の仕事を点検評価し、議会に報告し、議会はこれをチェックするという法改正の趣旨に反すると思われますが、事務方の長である教育長が、どのような見地から、どのような立場で点検及び評価への答弁をなさるのか、また答弁ができるものなのか、まず明らかにしてからお答えいただきたいと思います。
通告した質問を教育委員長に対して行います。
地方教育行政の組織及び運営に関する法律二十七条による教育委員会の権限に属する事務の管理及び執行の状況の点検と評価を実施するに当たって、いかなる点を重視して行ったのかお伺いいたします。
ところで、昨年三月に松原小学校でノロウイルスによる集団感染や給食従事者の感染が起き、四月一日からは学校給食法改正により九条に学校給食安全衛生基準が新設され、HACCPに基づく学校給食場及び給食の厳しい管理基準も設けられました。
これはO157やノロウイルスによる集団感染予防を念頭に置いたものでありました。今回の点検と評価の中に世田谷教育ビジョン二期行動計画の施策の体系への実施評価があり、同体系の中には教育環境の整備が含まれ、安全安心の学校施設の整備とあるが、この中には、学校給食による食中毒や、環境汚染や、人人感染による感染症対策などは含まれておりません。教育委員会としては、この点についてどのように評価しているのかをお伺いします。
また、改正学校給食法の施行に当たり、今年度の教育委員会の対処すべき新たな課題として、学校における食中毒予防や、環境汚染や、人人感染による感染症対策が盛り込まれていなかったのはなぜか、お伺いします。
ノロウイルス感染についてはさらに、昨年十二月に松原小学校で再度の集団感染と給食従事者感染があり、本年三月には給食従事者や管理栄養士にノロウイルス感染があり、給食が中止されるに至りました。この課題について、次年度できちっと取り上げるべきだと思いますが、どのように考えるか、見解を示していただきたい。
助言を求める専門家に、学校衛生、公衆衛生の専門家を加えるつもりはあるのかどうかをお伺いいたします。
〔若井田教育長登壇〕
◎若井田 教育長 昨日、教育委員会委員長の本会議出席のお話がありましたが、急なことで日程の調整がつかないということでございますので、本日は欠席をさせていただいております。
また、地教行法の改正により、第二十六条に教育長に委任することができない事務が定められていることは承知いたしております。教育委員会の事案決定も法令に従って行っております。
今回の点検評価の内容につきましては、過日の教育委員会において決定されており、私も教育委員でありますことから、私がお答え申し上げます。
区教育委員会は、昨年度より地方教育行政の組織及び運営に関する法律に基づき、事務の管理執行状況を点検評価し、その結果に関する報告書を議会に提出、公表しております。これは、効果的な教育行政の推進に資するとともに、教育委員会の責任体制を明確にし、開かれた教育委員会を目指すということをねらいとしております。
今年度の点検評価は、世田谷区教育ビジョン第二期行動計画の二十一項目を対象とし、主な施策の実施状況について、教育委員会でのさまざまな議論、学識経験者との意見交換等を踏まえ、報告書にまとめたものでございます。点検評価により、教育ビジョンの進捗状況を検証することができ、課題整理にも資することができております。今後、対象項目や手法等は、その時々の課題や状況に応じた見直しや改善をしていくものと考えております。
学校の安全安心について、今回は地域全体で児童生徒を守る取り組み、学校の耐震化等を取り上げております。新型インフルエンザやノロウイルスの集団感染への対応等で緊急性を要する課題は、その都度、教育委員会で議題とし、今後の対応等を協議しております。食の安全及び感染症に対する健康危機管理は、世田谷の教育にとっても重要でございますので、専門家の知見等も含め、今後の点検及び評価の実施に当たって参考にさせていただきます。
以上でございます。
◆二十三番(木下泰之 議員) 私は、法改正の趣旨は、議会がきちっと教育委員会をもチェックする。それから、教育委員会は、まずもって事務方である教育長などをチェックするということにあると思います。つまり、ノロウイルスの問題などについてはどういう報告がされていたのかということもあります。教育委員会の中できちっと議論されていたのかということ等を検証しなければ、きちっと事務方から伝わっていたかどうかということもわかりません。そして、この点検及び評価の中には、事務方についての評価ももちろん含まれるわけですけれども、どうも報告書を読みますと、事務方についてのチェックの項目が一切ないように思われます。
この事務方へのチェックについてはどのようにするおつもりなのでしょうかと、あなたに聞いてもわからないかもしれませんけれども、どのように教育委員会では議論されてきたのでしょうか。
〔若井田教育長登壇〕
◎若井田 教育長 今回の点検評価につきましては、平成二十年四月から教育ビジョン第二期行動計画期間に入り推進しておることから、平成二十一年六月二十三日の教育委員会にて、実施方法として教育ビジョン第二期行動計画の取り組み項目を対象とすることという実施方針を教育委員会で決定しております。
その取り組み項目に含まれる事務につきましては、その中で議論をいたしております。この点検評価は、教育委員会全体が行っているあらゆる事務について点検評価するということではなくて、教育ビジョンの取り組み項目を中心として点検評価しております。先ほども申しましたように、点検評価の項目、それから手法等につきましては、その時々の課題や状況に応じた見直しや改善をしていくものと思っているところでございます。
学校の給食関係につきましても、今回の点検評価を超えまして、また、来年度につきましては、教育委員会全体の施策の事業の評価検証の中でまた考えていきたい、検討していきたいと思っているところでございます。
以上でございます。
◆二十三番(木下泰之 議員) ノロウイルス問題は非常に大きな問題です。昨年の学校給食法の改正によって、点検をしなければいけないというふうに文科省のほうからしているにもかかわらず、それが世田谷区の中ではきちっとされていないというのが現実です。各調査票なども学校長には配られておりますけれども、それについて、きちっと教育委員会が掌握していないというのが現実であります。
これは、ぜひ来年度徹底的に調査し、分析し、それで、改修、改築が必要なところについてはそれを進めていく、そういうことが必要だと思います。そのことについてどう取り組まれるのかお伺いいたします。
そして、これは教育長ではできないと思います、教育委員会としてきちっとやらなければいけないと思います。
〔若井田教育長登壇〕
◎若井田 教育長 学校給食に関しましては、教育委員会による点検評価が意義あるものと考えておりますので、教育委員会に提起していくことを検討してまいります。
以上でございます。
○川上和彦 議長 以上で木下泰之議員の質疑は終わりました。
以上で諸般の報告を終わります。