3・11大震災を経た今だからこそ、京王線高架を許してはならない! |
本日より、高架事業都市計画案の公告・縦覧
本日から、沿線住民の反対にもかかわらず、東京都による京王線の高架連続立体交差事業の都市計画案及び環境影響評価計画準備書の公告・縦覧、世田谷区・杉並区による関連側道の都市計画案の公告・縦覧が、始まりました。
この都市計画案は3月11日の東日本大震災以前に計画されていたもので、3月公告・縦覧していたものの、予定されていた「説明会」が余震の影響から中止され延期が表明されていたものです。
京王線の高架計画による連続立体交差事業に対しては、2009年秋の素案説明会を契機に鉄道の地下化への転換と鉄道跡地の緑道化の要求が広範な沿線住民からあがりました。
ちなみに、本年1月30日には150名を超える沿線住民が結集して「京王線の地下化と緑のまちづくりを進める会」が結成されています。
3・11大震災で東北新幹線の橋ゲタがボロボロに崩れ去った経験から、同会は3月23日に都知事や世田谷・杉並両区長に、都市計画案そのものの抜本的見直しを訴えていました。
しかしながら、今回。公告・縦覧された都市計画案は以前と全く同じもの。しかも北側には基本6メートルのみの側道で南側には基本的には側道を取らないために、直下型地震などで高架橋が崩壊した場合には、きわめて危険なものです。
一方、今回の大震災でも仙台の地下鉄がすぐ普及したように、地下構造物の方が相対的に地震には強いとされています。
原発さえ廃止の時に、なぜ進む地震に危険な高架計画
3・11の未曾有の地震を経験して、国が浜岡原発さえ止めようというときに、これからつくろうとする地震時に危ない高架構造物について、東京都や世田谷・杉並両区が何らの検証や検討もなしに、3・11以前の計画を区民に押し付けてくるというのは、とんでもないことだといわなければなりません。
もともと、今回の都市計画案の説明会は統一地方選時の新旧体制の交代も想定される端境期に企画されたことだけでも、非難されなければなりません。首長が変わるかもしれないという最中に、重要な都市計画案の説明会を企画すること自体、民主主義を踏みにじった役人専制の姿勢そのものです。
とりわけ、世田谷区では高架計画の見直しを主張する首長が誕生したわけですから、従前の計画のまま公告縦覧と説明会を再度おこなうかどうかは、新区長に充分な情報を提供してから判断を仰ぐべき筋合いのものです。
前区長の任期中に決めてしまった姑息な公告・縦覧
前熊本区長体制のままの決定を、新区議会議員にも情報を秘匿しながら、連休日程をもにらんで、姑息にも役人の意思でゴリ押しを通したというのが今回の経過です。
「無党派市民」木下泰之世田谷区議としては、この姑息な対応をいち早く見抜き、新区長である保坂展人区長にも、この理不尽な対応には徹底して抗すべきと進言してきました。
残念ながら、本日、公告・縦覧手続きで都市計画上の歯車が、ひとつ回ってしまいました。
しかしながら、保坂新区長においては、はからずも3・11台震災以前の計画を提案する立場にたってしまった区長であるがゆえに、これからおこなわれる説明会にあっては、区民からの批判に真摯に応えるべきです。
都市計画の作成者であるにかかわらず、世田谷区でさえ入手してもいないと言い張っている都市計画形成過程の全ての情報を新区長は入手し、これを明らかにすると共に、3・11大震災での東北新幹線の橋ゲタの崩落という新たな事態にあたって、現地視察も含め、徹底した究明をおこない、これまでも様々な問題点の上がっている高架・地下の比較検討を最初からやり直すべきです。
「聞き置く」行政批判と情報公開約束の保坂展人新区長は闘うべき
3月16日から始まる説明会に臨むに当たっては、選挙戦で徹底批判していた従来行政の「聞き置く」区政、「聞き置く」説明会であってはなりません。
情報入手が欠損している世田谷区のこれまでの都市計画づくりやまちづくりの実態もさらけ出して、選挙公約どおり徹底した情報公開を約束し、区民と対話する姿勢を示すべきです。
また、何よりも説明会の開き方については、本体事業の都市計画立案権者であり、今回のゴリ押しの首謀者でもある都知事にこそ、ものを申すべきであります。
世田谷の「浜岡原発」はここにある
3・11大震災後の長い政治的沈黙状況の中で、 「脱原発時代を切り拓く みどりの先進国を 世田谷から」とのスローガンと政策を世田谷区議木下泰之はいち早く掲げ、保坂新区長を推挙して闘いました。
世田谷区民の命を預かる世田谷区長は、理不尽で地震に危険な「京王線高架」の都市計画案の見直しに着手すべきですし、世田谷における「浜岡原発」はここにこそあると申し上げておきます。