監査委員のたらいまわしに反対する 監査委員同意への反対意見 |
監査委員のたらいまわしに反対する 監査委員同意への反対意見
○畠山晋一 議長 これより意見に入ります。
なお、意見についての発言時間は、議事の都合により十分以内といたします。
発言通告に基づき発言を許します。
二十四番木下泰之議員。
〔二十四番木下泰之議員登壇〕(拍手)
◆二十四番(木下泰之 議員) 追加日程の同意第二号、菅沼つとむ議員の、そしてこれは議運で許されましたので同意第三号、岡本のぶ子議員のそれぞれの監査委員への同意に反対の立場から意見を申し上げます。
二年ごとにたらい回しされる監査委員という事態に反対であるからであります。しかしながら、このたらい回しは監査委員だけではありません。議長も副議長も、同じくこれまでたらい回しをされてきたのであります。地方自治法では、議長も副議長も監査委員も自治法上は、議員に選出された際の最初の議会で選出されることになっており、任期中務めることになっているのであります。ところが、任期途中でこのところ二年でおやめになり、交代されることになっております。
このたらい回しについては、平成七年に私が最初に議員になったころは毎年繰り返されておりました。当時は、下条忠雄議員とともに厳しくこのことを批判してまいりました。その結果、平成八年から公明党が、平成十一年から自民党がそれまで一年ごとの交代を二年に改めました。が、その後も二年交代の事態は続いているのであります。
交代といっても、第一多数会派の自民党が議長を、第二多数会派の公明党が副議長、そして監査委員については第一多数会派の自民党と第二多数会派の公明党が就任することになっており、この役職がそのまま自民党、公明党の中でたらい回しされているのであります。第三会派、第四会派へと交代されるとか、年齢順とかいうのであれば、また違った意味を持つものでありましょうが、結局同じ党派間で役職がたらい回しされているわけであります。
自治法で、議長、副議長、監査委員が任期中全うされるよう定めてあるわけであります。これは、議長、副議長、監査委員という役職が公正さを担保すべき役職であるということを求めているからであります。これが法の趣旨というものではないでしょうか。本来ならば、議長や副議長、監査委員は会派を離脱して、任期中はその役職を全うするのが理想とされるべきものでしょう。そうであってこそ、議長職では党派利害を超えた調整を果たし、監査委員においては公正のあかしを果たして、ひいては区民から尊敬される対象となり、議会の権威を高めるということにつながっていくものでしょう。
しかしながら、これをいつもながらの一身上の都合との理由をもって辞職を繰り返して役職をたらい回しされるのでは、議長、副議長の権威も、監査委員としての公正さの担保もあったものではありません。四年前の交代劇の際には、議長選以前に、いまだ選出もされていない新議長が想定されて事務局がそれを文書化して配ってしまったために大問題になり、全国放送や全国紙で取り上げられ、世田谷区議会の権威を著しくおとしめてしまったことは記憶に新しいことと思います。
この現実は区民から見ると、わざわざ議会の権威、議長や副議長、監査委員の権威をおとしめてまで交代劇を繰り返すのは、議長、副議長、監査委員の歳費が他の一般議員よりも、年間にして議長で五百万円、副議長で三百万円、監査委員で二百万円高額であるため、歳費をたらい回ししているからだと推察されても仕方がないと言わなければならないでしょう。かかる事態を繰り返すのであれば、いっそのこと議長や副議長、監査委員の特別手当は廃止するべきではないでしょうか。そのほうがすっきりするし、疑惑を持たれないと言わなければなりません。
さて、監査委員に関して言えば、任期途中の交代、しかも党派内でのあらかじめの予定調和的な交代を認めてしまうということは、監査制度の趣旨をもゆがめるものとなっていると言っておかなければなりません。世田谷区議会では、監査委員は決算委員になれないことになっておりますが、予定調和的な交代を認めるというのであれば、監査の公正を担保さえされないということにもなるわけであります。安易に辞職し交代を繰り返すのであれば、議会からの監査委員の選出は自治法の定めの最低一名に限り、そのかわり今までの議会枠のもう一名は、外部からの識者の監査委員にかえるべきであります。
いずれにせよ、四年前の議長交代劇で全国民から批判の矢面に立った世田谷区議会としては、今回も交代を繰り返すことはもはや許されないことであります。にもかかわらず繰り返している現実であればこそ、かかる上は、議長、副議長、監査委員の議員特別手当は即刻廃止することを議会制度研究会で決めるべきであります。
ネットでサーフィンをしておりましたら、ある議員の政策集に次のような言葉が記してあるのが目にとまりました。議長専用車や役職手当など、さまざまな特権も残っております。税金の正しい使い道を決めることが区議会の使命ですが、その前にみずからの経営責任を果たすことからスタートすべきです。どなたのホームページでしょうね。私は同じ一人会派部屋のあべ議員の言葉と思っておりましたら、自民党の小松大祐議員のホームページにこれが書かれてあったんです。このようなことは、あべ議員の議会発言では聞いたことはありますが、小松議員からは議会発言として一度も聞いたことがありませんでしたので、驚きでありました。このページに書かれてあるということは結構話題になっていますよ。
自民党の議員もこのように書くわけですから、議長専用車や役職手当は廃止するべきであると思います。また、これを特権と認識しているわけですから、監査委員のたらい回しにも反対してもらいたいと切に願うわけであります。今回のたらい回し事案にどのように対処するか注目されるところであります。反対してくださるよう期待しております。
さて、自民党といえば、議長職の畠山さんは一身上の都合を考えているとのお話は議運の理事会では聞いておりましたけれども、その表明はいまだになされておりません。表明をされずこのまま四年続けられることになればこれは立派であります。しかし、前例踏襲だと区民の嘲笑の的になりますよ。区民は見ていますよ。どうかお忘れなく。なお、今回も新監査委員の同意に反対しておりますが、個人的な恨みはありませんので、そのことをお忘れなく。
以上、監査委員同意に反対の意見表明といたします。(拍手)
○畠山晋一 議長 以上で木下泰之議員の意見は終わりました。
これで意見を終わります。