<本会議質疑>京王線連立関連道路認定について問う |
<注>本会議の質疑について
今回の本会議質疑は世田谷区議会の「慣例」を打ち破ったという意味で、画期的な質疑となりました。京王線連立関連の道路認定の議案は木下が所属する都市整備常任委員会に付議されますが、その際、付議先の委員会に所属の議員を出している会派は「質問ができない」と区議会事務局から「説明」されてきました。
ところが、議会条例に基づく議会規則を読む限りは質疑は出来るのです。国会法などの倣いから言っても当然のことです。
そこで、今回あえて、質問通告をしたところ、議運理事会、議運とも、渋々ながら質疑を認めざるを得ませんでした。今後は今回の対応が先例となります。他の会派も大いに本会議質疑を行っていただきたいものです。
世田谷区議会では、本会議に議案が提出された際に本会議質疑を行わないこいとが常態化していますが、このような対応が、区民に重要議案の存在を気付かせることなく処理されてしまうことにもつながっています。残念ながら、世田谷区議会では本会議と予算、決算の委員会は中継がなされますが、委員会審議の中継はありません。本会議で各会派とも議案を巡って丁々発止議論をすることは重要なことだと考えます。今回の私に行動が、議会活性化の一助となることを願うものです。
気負って行った本会議質疑ですが、保坂区長に答弁を求めたにもかかわらず、登壇さえしませんでした。京王線の連立事業を巡っては選挙戦の際の公約にも関わることですので、極めて残念なことでした。
また質疑が往復10分のみで、答弁側が延々と答弁すれば時間つぶしも出来ますし、答弁漏れがあっても、質疑打ち切りという対応もいかがなものかと思います。今回の答弁はその典型です。
なお、この議案は委員会、本会議とも賛成多数で可決しました。反対は私の属する一人会派「無党派・緑」と共産党のみでした。(2014年7月3日記)
<本会議質疑>京王線連立関連道路認定について問う
木下議員 保坂区長にお尋ねいたします。
今回の道路路線認定案件は京王線の連続立体事業案件でありますが、小田急線の連立事業の際の関連測道や駅前広場関連交差道路に関する道路認定の際と較べますと事業認可時から道路路線認定に至る期間が異常に短いのであります。経堂工区の際には事業認可から10年近くも後の道路認定ということです。この対応の違いは何によるものか明らかにされたい。
小田急線の連続立体交差事業の際に道路認定が遅れた理由として関係職員は当該地の権利関係が複雑だということを述べております。事業地の地権者は周辺住民も納得しているとは言い難いのに区長の責任となる関連測道や明大前駅および千歳烏山の駅前広場、補助154号線や補助216号線といった関連交差道路に関する道路認定を急ぐ理由はなにか明らかにしていただきたいと思います。
保坂区長は選挙戦時に公共事業の見直しを公約にあげていましたし、京王線高架反対地下化推進の市民運動の支援も受け、高架事業や連立事業の見直しを約束していたはずであります。当選直後に震災で中断していた在来鉄道の高架計画都市計画案の説明会を受け入れ、態度を豹変させましたが、その際の理由は連立事業の事業主体が東京都であること、また区政継続の必要性を言い訳としてあげておりました。しかしながら今回の道路認定は大場区長の時よりも熊本区長の時よりも急ぐ認定となっております。連立事業については関連事業も含め抜本見直しをするつもりはあるのか無いのかおうかがいいいたします。
連立事業問題は事業認可を取り消した小田急訴訟一審判決は裁判官の良心を示した判決でありましたし、また都市計画への異議申し立ての市民の権利を拡大した小田急大法廷判決を経てもなお、下北沢地域の連立事業の裁判は係争中であり、その中で都市計画決定から事業認可のあり方も含め意義は深まり、下北沢の連続事業を巡る補助54号線と小田急線の複々線事業についての都市計画について憲法問題を惹起する展開となっております。そしてこの問題はまさに京王線複々線化の都市計画決定においても 同様の問題を内包しているということは、これまでの議会質問でも指摘して来た通りであります。都市計画のあり方のみならず、都市開発のあり方自体がまさに連立事業問題に捉えられていると考えます。
京王線では事業認可差し止めの訴訟が沿線住民から提起されたその日に東京都は事業認可を強行しており、訴訟は取り消し訴訟に切り替えられました。なおこの訴訟の原告団の主任弁護士は区長の盟友である海渡雄一弁護士でもあります。今回の道路認定はまさに係争となっている連立事業と密接不可分であります。
この道路認定を今議会に提出するにあたり、区長は京王線連立事業を含め一連の連続立体交差事業にどのような見解を持っているのか明らかにしていただきたいと思います。京王線連立事業の関連の今回の一連の道路路線認定は小田急線事業の例からいってさえ拙速であります。日程11から15の路線認定案件は区長自ら撤回されるべきであると考えますがいかがかお答えください。以上です。
<答弁>
青山道路整備部長 はい、何点かご質問いただいておりますが、道路の路線認定は道路を整備しまた将来にわたって道路を管理するため道路管理者を定める道路管理法上の手続きでございます。今回道路の路線認定の議案を区議会にお諮りしていることから路線認定の議案としての内容の観点から順次ご答弁させていただきます。
まず京王線連続立体交差事業を小田急線連続立体交差事業の経堂工区と比較したお尋ねがありました。この小田急線経堂工区の事業に際しましては、道路築造の前に道路の路線認定を行っているところでございます。しかしながら今回は事業実施に伴う上下水道や電気ガス電話等、いわゆるライフラインの整備に際しまして道路管理者としての権限の行使や道路管理者の立場で連続立体交差事業者等に対して必要な意見を述べ、調整を計るため過去の連立事業の経験を踏まえまして早期に道路管理者となることが必要であるとの考えによりご提案したものでございます。小田急線経堂工区の際には事業認可から10年近くも後の道路認定とのお話がございましたが、下北沢地区の都市計画道路補助第54号線と世田谷区画街路第10号線につきましては、事業認可から約1年5ヶ月後の道路の路線認定となっております。また大倉地区の都市計画道路補助第216号線につきましては事業認可から約3ヶ月後の路線認定となっております。区といたしましては都市計画道路の事業認可後、できるだけすみやかに路線認定ができるように務めているところでございます。
次に事業地の地権者や周辺住民も納得しているとは言い難いのに関連測道や明大前駅、および千歳烏山駅の駅前広場補助154号線や補助216号線といった関連交差道路に関する道路認定を急ぐ理由は何か、にご答弁申し上げます。
今般路線の認定を区議会にお諮りすることにつきましては、平成26年2月28日に都市計画道路事業の認可を受け、すでに事業に着手している路線でございますので、今後整備される道路の管理を世田谷区が担うことを明確にするために議案としてお諮りするものでございます。このことは用地買収等にご協力いただく地権者のみなさまの生活再建を支障無く進めるために必要であると認識してございます。また道路の供用開始をするまでの間、用地買収等で取得させていただいた道路予定地を適正に維持管理するためにも必要な手続きであると考えております。こうしたことから事業認可を得た後、すみやかに道路の路線の認定をお諮りしているものでございます。
次に今回の道路認定は大場区長の時よりも熊本区長の時よりも急ぐ認定となっていると、連続立体交差事業を見直しをするつもりが無いかとのご質問がございました。このたび区議会に認定をお諮りしている案件はいずれも道路法の規定に基づきましてこれから整備する道路を世田谷区が道路管理者として管理を担っていくために必要な手続きと考えております。連続立体交差事業に伴う測道や鉄道と交差する道路、連続立体交差事業を契機とした駅前広場の整備などは交通結節機能の向上や防災機能の強化、さらなる街の魅力の創出などに必要なものであり、区といたしましては関係者の皆様のご理解とご協力が得られるよう務めながら取り組んでいるところでございます。
次に京王線連立事業を含め一連の連続立体交差事業問題への見解を求めるご質問がございました。京王線連続立体交差事業問題について沿線住民により訴訟が提起されたことは新聞報道等でも確認しております。またその後に事業認可取り消し訴訟となった旨の情報も得ております。連続立体交差事業は踏切による交通渋滞や踏切事故、鉄道による地域分断、緊急車両や歩行者等の交通の阻害など、多くの課題の解決に繋がるなど区民の長年の悲願を実現するものと認識しております。また京王沿線では南北方向の都市計画道路の整備が遅れているところから区では都市計画道路補助第154号線と補助第216号線を優先整備路線に位置づけ、京王線連続立体交差事業に合わせた都市計画道路の整備に取り組んでいるところでございます。従いまして今回区議会にお諮りする道路の路線認定5件につきましては、都市計画事業の認可を受け、すでに事業に着手している路線であり、今後整備される道路を世田谷区が管理を担うことを明確にするためにご提案したものでございます。
最後に今回の一連の道路認定は拙速であり撤回されるべきであるとのことにつきましてお答え申し上げます。繰り返しのお答弁になりますが、京王線の連続立体交差事業は交通渋滞や踏切の事故、地域分断など多くの課題の解決に繋がる区民の悲願であると認識しているところでございます。そして京王線沿線で、整備が遅れている南北方向の都市計画道路の整備につきましても京王線連続立体交差事業に合わせ取り組んでいるところでございます。区といたしましては今後事業を進めるにあたりまして、道路整備や駅前広場整備と重複する地権者のみなさまの負担を軽減するためにもご提案申し上げている今回の路線の認定は必要なものと考えてございます。以上でございます。
木下議員 区長に訊いたんですけれどもね。今回こういう形での質疑は初めてのことなんです。それで今回質疑をしたのは区長がいるからこそ質問通告もして区長に対しても訊いているのになぜ区長が答えないんですか。区長答えてくださいよ。
議長 板垣副区長
区長に の声あり
時間がありませんよ、もう の声あり
板垣副区長 えっと先ほどあのー
チャイム
形骸化するようなことやるんじゃないよ の声あり
区長に訊いてるんだ、区長が答えなければいけないじゃないか の声あり
議事進行 の声あり
議長 以上で木下泰之議員の質疑は終わりました。これで提案理由の説明に対する質疑を終わります。本5件を都市整備委員会に付託いたします。